ジェルネイルの施術中に「筆(ブラシ)はこんなに必要なんですか?」と質問を受けることがあります。筆立てに沢山の筆がささっていると、気になりますよね。
ネイルに使用する筆は、毛筆の硬さや質感、太さ、形がそれぞれ異なり、用途によって使い分ける必要があります。
ネイルブラシに関する記事は以前にも書いていますが、大雑把に種類を分けて紹介しただけなので、今回は具体的に使用感や長所・短所を記載しながら紹介したいと思います。
「手に馴染む筆を探している」というネイリストの方、「おすすめの筆を探している」というセルフネイルを楽しむ方、「これから始めてみたい」という初心者の方の参考になれば嬉しいです。
筆選びは大事だと思う
「弘法筆を選ばず」という「道具の善し悪しを問題にしないという例え」のことわざが存在しますが、そんな事はないと思います。やっぱり筆選びは大事です。
というのも、それぞれ好きな筆の毛質、柔らかさがありますし、自分の癖を踏まえて使い易いものを臨機応変に使うのがいいと思います。
いい筆が沢山あるんですから、自分にあったものを選べば、より繊細なアート、施術時間の短縮、コストパフォーマンスにも繋がっていくと思います。
色々使ってみる
ネイリストになってから、色々な筆に手を出し吟味してきました。
- 問屋さんで売っているメーカーさんの筆
- 有名所の先生方がプロデュースした筆
- 展示会でしか見かけない謎の筆
- 楽天やアマゾンで売っている、いわゆるセルフネイラーさんが使用する筆
これらを実際に使って分かったのは、安かろう悪かろうではないです。逆にお値段が高い割に「あれ?」という使用感の物もありました。
今回紹介するのは、私が実際に使ってみてリピートしているオススメの筆です。あくまで私個人の感想ですが、参考になればいいなと思います。
文字だけでは飽きてしまうので、写真を載せながら紹介していきたいと思います。
グラデーションとフレンチブラシ
写真上から
フルーリア ワイドグラデーションブラシ(グラデーション専用ブラシ)
べトロ フレンチブラシ(フレンチ専用ブラシ)
エースジェル ミドルアンギュラーブラシ(花びらを描く時やフレンチ)
モアクチュール ショートフレンチブラシ(花びらを描くときやフレンチ)
個別に製品の使用感や長所・短所をまとめていきます。
MoreCouture(モアクチュール)ショートフレンチ筆
毛丈5.5×4mm、毛幅3.5mm、厚み約1mm、キャップ付きです。
フレンチブラシの中では、かなりコンパクト筆先なのでフレンチの角(スマイルライン)が綺麗にきまります。小さなお爪の方のフレンチを塗布するのにも最適です。トールペイントを応用した花びらアートを描く時にも重宝しています。お値段はブラシの中では中間くらいでしょうか。
ace gel(エースジェル)ミドルアンギュラーブラシ
毛丈4mm、毛質ナイロン、キャップ付きです。
この他にもショートアンギュラーブラシが存在しますが、毛丈がこちらの方が長くできています。大きめの花びらを描く時に使います。コシがあるのでフレンチを作るのにも最適です。
お値段は中々なので、セールの時を狙ってまとめ買いをしています。エースジェルはプロ問屋専売です。セルフネイラーさんは入手するのは難しいかと思います。転売禁止商品になっています。
VETORO(べトロ)フレンチブラシ
毛丈約5~7×4.5mm、毛質ナイロン、キャップ付きです。
フレンチブラシの毛先は実際に見てから買わないと、ガタガタだったりする事があるのですが、べトロではハズレ筆を引いたことがありません。
操作性がいいです。メーカーさんも溶剤に強いと謡っているだけあり、耐久性もいいです。お値段はモアクチュールと同じくらいです。この働きなら納得といった所です
Fleurir Gel(フルーリアジェル)ワイドグラデーションブラシ
毛先9×12mm、毛質ナイロン、キャップ付きです。
「ワンストロークでエアブラシのようなグラデーションに」というキャッチフレーズに釣られて購入しました。
筆の角度と使い方が悪いとハケ後が気になりますが、使い方を覚えれば本当に綺麗なグラデーションになります。私は通常の筆でグラデーションを作ってから、最後の仕上げ(境目)に使っていますよ。
慣れさえすれば、簡単に時短でグラデーションが作れるので、初心者さんはこれで練習をすればグラデーションマスターになれるかと思います。
お値段は私位の使用頻度にしてはちょっとお高めかなと思います。
ラウンド型ジェルブラシ
写真上から
Fleurir Gel(フルーリアジェル)オーバルブラシ
PREGL(プリジェル)オーバルブラシ5
PREGL(プリジェル)オーバルブラシ5
毛丈約8mm、毛質ナイロン、キャップ付国産ネイルブラシです。
根元まわりを塗るのに適しています。コシと柔軟性があります。お値段はリーズナブルなので、リピートしやすいのが嬉しいポイントです。
Amazonや楽天でもよく見かけるので、一般の人でも比較的入手しやすいかと思います。
Fleurir Gel(フルーリアジェル)オーバルブラシ
毛丈8mm、毛質ナイロン、キャップ付きです。
適度なコシがあり塗りやすいです。よくメーカーさんの筆は、他のメーカーさんのジェルを使うと筆跡が、ムラといった難点がでてくるのですが、これは気にならないです。
お値段は少しお高めです。
スクエアブラシ
写真上から
Gel Nail Brush TAKUMI(匠)平筆ミディアム#4
MICREA(ミクレア)アンカージェルブラシフラット
NP(ネイルパートナー)GEL NRUSH N Flat#6
VETORO(べトロ)フラット
VETORO(べトロ)フラット
毛丈8mm、毛質ナイロン、キャップ付きです。
粘度の高いジェルと相性がいいブラシです。ハードジェルを使う際に最適だと思います。ベース、カラー、トップ、オールマイティに使えます。溶剤にも強いので、長い目で見れば納得のお値段です。
NP(ネイルパートナー)GEL NRUSH N Flat#6
毛丈10mm、素材ナイロン、キャップ付きです。
ネイルブラシの表記につく「#」とは、大きさを表します。6は大きめなので、親指なども塗布しやすいです。粘土の高いジェル向きだと思います。柔らかいテクスチャーには、あまり向いていない気がします。
ネイルパートナーオリジナル商品の為、セルフネイラーさんは入手しにくい品だと思います。お値段はサロン向け設定なので、リピートしやすい価格になっています。
MICREA(ミクレア)アンカージェルブラシフラット
毛丈約10mm、毛幅約4.5mm、毛質ナイロン
持ち手が珍しい木製ジェルブラシです。コストパフォーマンスに優れているので、練習にはもってこい。検定試験の前には問屋さんで売り切れている事が多いので、いつも多めに購入しています。
ご覧のとおり、他のジェルブラシに比べて細いです。キャップはついていません。別売りのブラシキャップが必要です。お値段は文句なしの価格です。
Gel Nail Brush TAKUMI(匠)平筆ミディアム#4
毛丈6mm、キャップ付きです。
コスパ最強です。楽天で販売しています。筆先5種類×20サイズ展開。この#4は小さめです。足の小指も楽々塗布できるサイズ。
塗りやすさは文句なしですが、若干穂先がガタガタしているハズレ筆が多いのが残念です。衛生面が気になるフットに使用して、使い捨てても苦にならないお値段です。
アートブラシ
写真上から
mari-juu(マリージュ)MJ09
p forest(ピーフォレスト)B14
b-r-j(ブルージュ)407 オーバル
b-r-j(ブルージ・ュ)401 ラウンド
PREGL(プリジェル)RB10/0
b-r-j(ブルージュ)705 ロングライナー
b-r-j(ブルージュ)706 ショートライナー
Presto(プレスト)ジェルブラシ アート5ファインポイント
Presto(プレスト)ジェルブラシ アート5ファインポイント
毛丈5mm、毛質国産PBT(ポリブチレンテレフタレート)、キャップ付きです。
細いです。キャラクターネイルや痛ネイルを描く時に使用しているブラシです。細いラインを描くのに凄く使えます。
粘度の高いジェルとは相性が悪いのと、お手入れに気を付けないと先端がすぐ曲がってしまいます。
これが今の所、痛ネイルを描く上で一番だと思っているのでお値段は納得です。
こちらの動画では、金魚アートの部分にアート5ファインポイントを使用しています。よかったらチェックしてみて下さいね。
b-r-j(ブルージュ)706 ショートライナー
毛丈6mm、毛質PBT(ポリブチレンテレフタレート)
展示会やイベントで絶対に売り切れている人気ブラシです。プレストに負けず劣らず細い線やアートが描けます。痛ネイルにももってこいの筆です。
10本に1本位の確立で先端が曲がっているハズレ筆があるのが残念ですが、お値段もコスパに優れているので「あー残念」位の気持ちでいられます。練習用にも大活躍の筆です。
b-r-j(ブルージュ)705 ロングライナー
毛丈11mm、毛質PBT(ポリブチレンテレフタレート)
ピーコックアートや長い線を描きたい時に、穂先が長いのでとても便利です。細さも706と変わらないので、ツイードアートなどを描く時も活躍してくれます。コスパもいいので、1本は必ず持っておきたい筆です。
b-r-j(ブルージ・ュ)401 ラウンド
毛丈4mm、毛質PBT(ポリブチレンテレフタレート)
706,705に比べると太いですが、協調したい線を描くときや、痛ネイルの「影」をつける時に活躍してくれます。お花やレースアートの軸を描くときにも重宝しています。コスパも706、705同様に良いです。
PREGL(プリジェル)RB10/0
毛丈5mm、毛質PBT(ポリブチレンテレフタレート)、キャップ付き
国産のブラシです。毛先がまとまりやすいので、アートに使用しています。痛ネイルの影を付ける時にも重宝しています。
コスパはブルージュに比べるとやや低い気がしますが、アート筆の中では中間くらいなのでよいです。
b-r-j(ブルージュ)407 オーバル
毛丈5mm、、毛質PBT(ポリブチレンテレフタレート)
先端が丸くなっているので、フラワーアートを描くときに便利です。痛ネイルでは、塗る面積が大きいパーツ(顔の肌など)を塗る時にも便利です。コスパもよいのでおすすめです。
初心者の方へアドバイス
これからネイリストを目指そうと思っている方、セルフネイルを始めようと思っている方には、種類が多くてどれを買えばいいかわからないと思います。
ジェルネイルに必要な筆と、簡単にお手入れの方法を紹介しようと思います。まずは、筆です。
ベースジェル用
トップコート用
カラー用
アート用
それぞれ一本ずつ購入しましょう。このセットがあれば、大体の基本デザインを作成することができます。
記事の中では、ベースジェル用トップコート用と分けて記載していますが、専用の筆ではなく、同じ物を2本用意して使い分けるだけで大丈夫ですよ。
ベースジェルとトップジェルを同じ筆で塗布してしまうと、ジェル同士が混ざって仕上がりが曇ってしまったり、取れやすくなってしまったり、トラブルに繋がることがあるので注意して下さいね。
ちなみに今は「ベースもトップもこれ1つ!」というキャッチコピーの、兼用ジェルが発売されています。そういったジェルを使用する場合は、同じ筆を使っても大丈夫です。
必需品のブラシキャップ
メーカーさんによりますが、ブラシキャップがついていない物もあります。筆を保護するためには、必須のアイテムです。出来る限り購入しましょう。
サイズも沢山あるので、筆のサイズとキャップのサイズをよく見比べて購入する必要があります。中にストッパー機能があるものも存在しますよ。
キャップの上に穴があいている物もあるのですが、それはおすすめ出来ません。
ジェルネイルは波長が違うとはいえUV、LEDで固まります。キャップの上に穴があいているタイプもあるのですが、窓際などに置いておくと、穴あきキャップだと穂先が硬くなってしまいます。
筆のお手入れ
毛質のナイロンは丈夫で溶剤に強いと言われています。ジェル筆の素材は、大体がこのナイロンでできていますが、丈夫と言ってもお手入れは大事です。簡単にやり方を紹介します。
ジェル筆のお手入れ方法。
ジェルブラシは先端が一番汚れます。クリーナーを使用した後は、沸騰したお湯に通しましょう。カールした場合は買い替え時です。
横から見たときに曲がっていたり、毛先がガタガタしてきたら、塗布もしにくくなります。勿体ないという気持ちもわかりますが、思い切って買い替えましょう。
さいごに
私がリピートしているオススメブラシの紹介でした。自分の手にしっくり馴染むブラシが見つかれば、アートの幅もぐんと広がりますし、時短にも繋がると思います。この記事が少しでも参考になったら嬉しいです。
それでは、最後までお付き合い頂きありがとうございました。