爪に色を施すという歴史は、古代エジプト時代(紀元前3000年以前)に生まれたと言われています。
紀元前3000年と言われてもピンときませんが、日本だと縄文時代です!
エジプト王族とされるミイラの爪に、赤い装飾が施されていたそうです。
この時使われていたのが「ヘンナ」という植物、花の汁を使い着色していました。
古代エジプト人は特に赤色を好んでいたといわれ、濃い赤は王と王妃のみ、その他の人は薄い赤しか許されなかったそうです。
現代のオシャレという感覚よりは、階級を示す意味合いも強かったのでしょうか?
さらにこの時代には、スキンケアのような美容術や、ヘアカラーなどもあり、美容に関してはここからギリシャ・ローマ時代へと伝えられていきます。
「絶世の美女」クレオパトラ7世が紀元前69~30年頃なので、生まれるずっと昔からネイルはあったんですね!
ギリシャ・ローマ時代
上流階級の中で「マヌスキュア」という言葉が生まれ流行し始めました。
当時のギリシャ女性は、健康的な美を理想とし、人工的な美は好まなかったと言います。
マヌスキュアはラテン語で、マヌスは「手」キュアは「お手入れ」
同様に、ペディスキュアは、ペディスは「足」キュアは「お手入れ」という意味です。
それぞれマニキュア、ペディキュアの語源となっていますが、日本では「色を付ける」とされていますよね。
本来はお手入れを指す言葉、ネイルケアなんです。
中世ルネッサンス時代では、舞台芸術が著しく発展し、化粧の文化を高めていきます。
オペラの起源となるバレエが生まれ、キャラクターを演じる上で、指先の演出も大事にされていきました。
そして中世ヨーロッパ時代、ハンマム(モロッコ式サウナとお風呂をあわせた様なスパの元祖)と呼ばれた美容院で、クリームを用いて爪のお手入れをしていたようです。
近代19世紀以降
欧米では、一般女性にも身だしなみとしてマニキュア(手のお手入れ)が浸透し、透けるようなピンク色に爪を磨き上げました。
職業としてマニキュアリスト(ネイリスト)が登場したのはこの時です。
同時にネイル用品なども販売されますが、庶民にとっては非常に高価で、手が出せなかったそうです。
1932年に現在使われているマニキュアが登場します。
これは、自動車用塗料の副産物として生まれた物です。
1970年代ハリウッドの特殊メークチームにより、歯科材料のレジンを使った「スカルプチュア」が生まれます。大流行し、ネイルサロンがブームとなり広がっていきました。
人の爪に装飾が施されたのが紀元前3000年以前だというのに、商業として成り立った歴史はまだまだ浅いんですね。
世界史編はここまでとなります。後半は駆け足気味になってしまいましたが、重要なポイントは押さえたつもりです!
日本史辺はこちらの記事で紹介していますよ。よかったら覗いてみて下さいね。
それでは、最後までお付き合い頂きありがとうございました。